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オーシャンブリッジ

3月11日(金)14:46、東日本大震災が発生。オーシャンブリッジのオフィスも備品が転倒するなどの被害が出ました。翌週14日、15日は一部の社員が「自宅待機」となりましたが、16日からの一週間はISL Onlineの活用で、「自宅待機」ではなく「在宅勤務」として全社員の業務を継続できました。その一部始終を、自社事例としてお伝えします。(語り手:営業部 井上友之)

※ 写真のうち「(再)」と付記されているものは、当時の様子を後で再現した写真です。

3月11日地震発生から出社再開までのオーシャンブリッジの勤務体制

内容 備考
3月11日(金) 地震発生 全社員22名にケガ人が無いことを確認
代表取締役社長の高山を含め10人以上が帰宅難民に
3月12日(土)
3月13日(日)
休日  - 
3月14日(月)
3月15日(火)
可能な者のみ通常出勤 交通機関マヒにより自宅待機2名
3月16日(水)  ~
3月22日(火)
在宅勤務実施 自社製品ISL Onlineを活用して在宅勤務
3月23日(水)~ 通常勤務を再開  - 

写真で見る在宅勤務の様子


自宅リビングで携帯電話を傍らに置いて勤務
(営業部 井上友之)(再)

自室にて勤務(営業部 菅沼大輔)(再)
ISL Onlineによるパソコンの遠隔操作(イメージ) ISL Onlineによるパソコンの遠隔操作(イメージ)



ISLProntoによるグループチャット(再)

ISL GroopによるWeb会議(再)

















3月11日 14時46分

3月11日 14時46分、オーシャンブリッジの社員22名のうち19名は、オフィスから少し離れた貸し会議室にいました。来期の事業戦略を練るための全社ミーティングをしていたのです。

そこに大きな揺れがきました。
会議室は7階だったので、非常階段を使って1階まで下りました。余震が続いていたので、ビルからのガラスの落下も懸念され、少し開けた場所に移動。
ひとりがオフィスに残った社員を呼びに走り、全員でしばらく様子を見ることにしました。

「14時46分、私はオフィスにいました。
ここは9階なので、大きく揺れ、キャビネットが転倒し、中の書類が散乱するなど、オフィスはめちゃめちゃになりました。とても恐い思いをしましたが、誰も怪我しなかったのが不幸中の幸いでした」
(管理部 山下弥生)

ネットなどから交通機関の混乱のニュースを知りました。高山が、翌日予定していた全社ミーティングの中止を宣言、月曜日の出勤も無理しないようにと言った後、社員は解散しました。

後から聞いたところによれば、スムーズに帰宅できたのは22名のうち半数だけ。残りの社員は帰宅難民になり、翌朝、電車が動き出すまで、飲食店や他の社員の家などで夜を明かすこととなりました。

「私も帰宅難民になりました。 ツイッターや携帯メールで家族と連絡を取りながら渋谷から新宿まで歩き、たまたま横浜の自宅から都内に出てきていた家内と0歳児の娘と合流し、さらにたまたま長野から上京してきていた母を探して落ち合いました。家族と合流できたのはよかったのですが、横浜まで帰る手段はありません。しかし、地震発生時に母が買い物をしていた京王百貨店が、赤ちゃん休憩室を特別に解放してくれたため、なんとか無事に一夜を明かすことができました。翌土曜日の朝もなかなか山手線が動かず、帰宅したのは昼前でした」(代表取締役社長 高山 知朗)

3月14日(月)

早めに出社した社員もいたので、地震で散らかったオフィスの片づけは、午前中には終わりました。
昼には、高山がブログで「本日、通常営業しております」と宣言。 午後には高山など経営陣がミーティングを行い、節電や定時退社など、当面の企業活動の方針を決めて、全社ミーティングで告知しました。高山がブログにも「当面の企業活動について」として記事を掲載しました。

青梅など計画停電対象地域に住む社員2名は、電車が動かず、出勤できませんでした。今後も出勤が難しそうなので、自宅のパソコンで在宅勤務するようにと、高山たち経営陣が決めました。

この日は節電のため、明かりも空調も消して、暗い中で仕事をしました。寒い時期だったので、ほとんどの社員がコートを着るなど厚着して作業をしていました。

暗くて寒い中での作業に、社員は若干戸惑っていたようです。また、余震が続いていたこともあり、今日も電車が止まってしまうのではないかと心配している者もいました。

「帰りに地下鉄の渋谷駅に近づくと、電車に乗るための長い行列ができていて、最後尾は地上でした。当分は出社するのも、帰宅するのも大変だなあと気が重くなりました(営業部 菅沼大輔)



3月15日(火)

朝から聞こえてくる会話は、「昨日の帰り、家に着くまで何時間かかったと思う?」とか、「今朝のラッシュは半端なかった」など、帰宅や出勤の苦労話でした。
大手企業が自宅待機命令を出したニュースなども話題に上っていました。 「毎日、通勤だけで一苦労で、これじゃ仕事にならない」

この日は高山が外出していたため、経営メンバーの持木、菅沼、山下が急遽ミーティングを開きました。高山とも電話で話し合ったようです。昼過ぎには、今後は在宅勤務を実施するという発表がありました。

余震が頻繁に発生していたため、なによりも社員の安全面と精神面を考慮し、自宅にいたほうが安全かつ精神的にも落ち着くだろう、との判断から出された決断でした。ただし、会社としては製品サポートなど止められないサービスがあるため、企業の責任として「自宅待機」にはできない。そのため、「在宅勤務」を実施するというものでした。

しかし、これまでに在宅勤務体制を取ったことはなく、もちろん在宅勤務規定などもありません。具体的にどうすべきか、各自の業務内容と在宅勤務での対応方法を、全体ミーティングで検討しました。

まず、社員の中には自宅から会社のパソコンに接続する必要があったため、PCリモートコントロール(遠隔操作)ツールISL AlwaysOnをセットアップし環境をすぐさま整えました。

社員みんなで在宅勤務するとなると、社内打合せをどうするかが課題として上がりました。 「社内打合せなら、グループチャットツールISL Prontoが使えます」と私が提案しました。

ISL Prontoはテキストチャットのバーチャル会議室を簡単に開設でき、何人でも会議室に参加できる機能で、以前開発元との連絡で使いやすさを実感していたからです。セットアップも簡単なので、全社員に設定方法をメールし、全員が設定を終えるまで30分かかりませんでした。

重要な書類を複数の社員で同時に確認する必要がある場合も想定できたため、Web会議ツールISL Groopも準備しました。

ただ営業担当にとっては、客先への訪問ができないことが本来期末の忙しいこの時期に大きなストレスになることが予想されました。しかし、PCリモートサポート(遠隔サポート)ツールISL Lightを使えば、通常遠方のお客様に対して行っている製品の「遠隔デモンストレーション」を自宅でも実施できるので、ISL Lightを活用することになりました。

その他、大体の業務は電話や電子メールで行えそうでしたが、急なことだったので、在宅勤務だけで済ませるのはやはり無理でした。たとえば受信FAXの自動メール転送のためのソフトウェアの購入もすぐには間に合いません。結局は一部社員が出勤することに決まりました。

代表取締役社長の高山が帰社して最終決定を行って、ブログに「在宅勤務での対応に関するご理解のお願い」として社外に発表しました。

この日は定時よりも早く、ほとんどの社員は15時に退社するよう指示が出されました。

ISL Onlineを活用した在宅業務

業務内容 利用ツール 備考
社内打合せ ISL Pronto 文字でリアルタイムに打合せできるグループチャットツールISL Prontoで、バーチャルな会議室を作成、打ち合わせしたい相手を何人でも呼んで打合せを実施
社内打合せ ISL Groop ファイルを一緒に見ながら、あるいは顔を見ながらの打合せが必要な場合は、Web会議ツールISL Groopで打合せ
サポート用動作検証 ISL AlwaysOn PCリモートコントロール(遠隔操作)ツールISL AlwaysOnを介して自宅から会社のパソコンに接続し、製品サポート用の動作検証を実施
遠方の客先に対する
遠隔デモ
ISL Light 平常時は会社から行っていた、PCリモートサポート(遠隔サポート)ツールISL Lightを使ったデモンストレーションを、在宅で実施

「余震や交通手段の混乱など、あのような状況がいつまで続くのかと不安になっていたので、家にいられることは助かりました。在宅勤務が決まったときは、ほっとしました」(営業部 川喜田徹)



3月16日(水)

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わたしはこの日から在宅勤務を開始しました。
自宅の食卓にノートパソコンを置いて、始業時間前に電源を入れます。この日は代表の高山と、各事業部営業から2名ずつ、計5名が出勤しました。

出勤しないとできないことは電話やFAXの転送くらいです。この日の終わりには、こんなに大勢出勤する必要はないと高山が判断して、翌日からは高山と、他に用があるものなど2名前後だけが出勤することになりました。






在宅業務期間に出勤者が行った業務

業務内容 備考
電話取り次ぎ 会社にかかってきた代理店などからの電話を、在宅業務している社員に取り次ぎ
FAX注文書の転送 FAXで届いた注文書をスキャニングして、電子メールで受発注担当者に送信
製品出荷処理 CD-ROMなどの出荷

「私は出社して社員の業務を支援しましたが、今回実施した在宅勤務ではISL Onlineの機能がかなり役立ったことは実感できました。社員が別々の場所にいてもリアルタイムに情報共有できる体制が取れましたし、その準備に時間と労力がほとんどかからなかったことが一番感心した点です」(常務取締役 持木隆介)



3月17日(木)から22日(水)

代表取締役社長の高山に加えて、その時々、客先との打ち合わせなどで出勤の必要がある者など2~3名が出勤したそうです。基本的に在宅勤務で業務に支障はありませんでした。

予想以上に活躍したのが、ISL Prontoです。
一度に複数のバーチャル会議室に出席できるので、同時に複数の打合せができるなど、リアルな打合せよりも便利な点もありました。勤怠管理の役割も果たしてくれました。


ISL Prontoによる勤怠管理の仕組み


出勤
  • 社員はパソコンの電源を入れます。
  • 電源を入れた社員の名前がISL Pronto上に表示されて、在宅業務の開始がわかります。
離席
  • 離席する社員は自分の状態を「不在」に切り替えます。
  • ISL Pronto上のその社員の名前の後ろに(不在)と表示されます。
打合せ
  • 打ち合わせしたいと思った社員はISL Prontoで、「会議室作成」操作を行います。
  • 打ち合わせしたい相手を指定します。
  • 指定された社員のパソコン上に呼び出し画面が表示されます。
※指定された社員が呼び出しに答えなかった場合、社員が「不在」表示せずに離席していることが判明します。
退社
  • 社員はパソコンの電源を切ります。
  • 電源を消した社員の名前がISL Pronto上から消えて、在宅業務の終了がわかります。

22日に高山など経営陣が話し合い、「そろそろ通常勤務に戻しても大丈夫だろう」と通常勤務への復帰を決定しました。全社員に連絡して、在宅勤務が終了しました。

【在宅勤務を実施してみてわかったこと~事前準備の必要性と、実施の意外な簡単さ~】


今回は地震という思いがけないきっかけで、突然、在宅勤務を実施することになりました。これまでは在宅勤務について具体的に検討したこともありませんでしたが、たまたま自分たちがお客様に販売し、また日常業務でも活用していたISL Onlineを使うことで、簡単かつ迅速に在宅勤務体制を構築できました。
まさかISL Onlineがこのような形で在宅勤務体制構築の役に立つことになるとは、私自身、思ってもみませんでした。でも今では、手元にISL Onlineがあってよかったと思っています。もしISL Onlineがなければ、あのように余震が続く状況下で、これまで通り日常業務を続けることはできませんでした。

3月16日には、今回の地震で被災された企業・個人の方に少しでもお役に立てればと思い、ISL Onlineの2か月間無償提供を発表しました。開発元(スロベニアXLAB社)の理解と協力を得て実現したものです。今後は一層の節電対策が求められる中、在宅勤務体制の構築という面で、ISL Onlineが日本企業のみなさまのお役に立てるよう、機能および品質の向上に努めて参ります。(代表取締役社長 高山 知朗)


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