ワンタイム+常駐接続で使える
リモートコントロール
エムオーテックスはIT資産・PC構成管理ソフトの分野で国内トップシェアのLanScopeを設計・販売するソフトウェア会社である。同社がトップシェアを維持している背景の一つとして、製品サポートの満足度が挙げられる。事実、2009年6月の日経マーケットアクセスの調査では、ソフト製品「サポート・サービス」満足率No.1を獲得している。その同社がLanScope Cat6のリモートサポートにISL Onlineを導入した。その経緯と効果について、サポートセンター部署長 倉橋響氏(写真中央左)に詳しく伺った。
1.エムオーテックスの概要
2.なぜリモートサポートなのか
3.電話・メールサポートでは、時間がかかる上に、お客様の負担増に
4.リモートサポートソフトの導入要件
5.ISL Onlineの導入効果
6.現在のサポート体制
7.ISL Online導入後のお客様の反応
8.今後の抱負と期待
― エムオーテックスの概要について教えてください。
IT資産・PC構成管理ソフトである「LanScope Catシリーズ」の開発・販売を行っています。LanScope Catは、1995年に発売開始された日本で最も長い歴史を持つネットワークセキュリティツールです。IT資産・PC構成管理ソフト部門では国内トップシェア(※)で、これまで全国で4800社以上に導入され、利用クライアントパソコン数は380万を超えました。
2009年6月から、ISL Onlineを導入し、LanScope Cat6の画面共有やファイル転送などのリモートサポートを行うための遠隔接続ソフトとして利用しています。
※富士キメラ総研「2009ネットワークセキュリティビジネス調査総覧」より
― なぜリモートサポートを行うようになったのですか。
エムオーテックスは、お客様に満足頂くためにサポートの充実を図っています。これまで、以下のようなサポートを行ってきました。
(1)年に5回、定期的にお客様に電話をかけ、インストールから、安定稼働、運用までを支援
(2)営業・SE・サポート担当者がつき、1対1でサポートできる体制を用意
(3)サポート結果をお客様に通知し、対応情報も共有
(4)最新情報の提供
(5)お客様の交流および情報交換の場を提供
これらを踏まえ、今後、顧客満足度をさらにアップするためには何が必要かと考えた結果、以前の電話とメールだけのサポートでは不十分で、改善すべき課題があることが分かりました。その課題を解決するために、リモートサポートを導入することを決定しました。
― 電話・メールサポートの課題とは、具体的にはどのようなものですか。
電話・メールのサポートには、「問題の特定をするための情報が手に入れづらい」「お客様に負担がかかる」「問題解決に時間がかかる」、「導入後の運用提案が難しい」といった課題がありました。
お客様先で起きている問題は、単純な勘違いや操作手順ミスによって起きていることがよくあります。しかし、問題が起きるまでにどのような手順で操作を行ったのか、電話やメールで情報を得るには時間がかかります。「原因はチェックボックスにチェックが入っていなかっただけ」という簡単な問題でも、電話で1つ1つお客様に確認してもらう箇所を説明しながら、原因を突き止める必要がありました。
問題解決のためには、(1)お客様がログデータをサポート担当者に送付、(2)サポート担当者がログデータを調査して確認事項を作成しお客様に送付、(3)確認事項をお客様がチェックして、サポート担当者に返信、(4)サポート担当者が解決法を提示、という手順を踏みます。
多くのお客様はパソコンの管理業務と他の業務と兼任しています。何度もやりとりが発生することで、お忙しいお客様に対して、負担をかけてしまっていることを問題視していました。
問題解決に必要なログデータを見つけることがお客様にとっての障壁でした。そのため、ログデータの送付や確認事項へのご返信を頂けるまでに時間がかかり、解決までに要する期間は平均2~3週間でした。
LanScope Cat6を導入して頂いたお客様には、できるだけ早く活用して頂けるようにサポートから運用提案を行っています。これまでは、メールでマニュアルを送り、その都度、電話で説明していました。しかし、設定から運用の仕方まで説明事項が多く、一度で案内することはできず分かりにくいと言われていました。
これらの課題を抱えながらサポートを行っていたため、お客様はLanScope Cat6を活用しきれていない側面がありました。
― それらの課題を解決し、顧客満足度をアップするには、リモートサポートよりも訪問サポートの方がよいのではないですか。
訪問サポートよりもリモートサポートの方がお客様の満足感は高いことが多いと言えます。まず、電話をかけてこられるお客様は、緊急な場合がほとんどで、問題解決までのスピードの方が重要です。リモートサポートであれば、すぐにその場でサポートを受けられるので、解決までの時間が短くてすみます。訪問サポートの場合は、すぐに訪問できるかどうか分かりませんし、すぐ訪問できるとしても、到着までの時間は対策をとることができません。
これらのことから、お客様の満足度アップのためには、リモートサポートが向いているだろうと判断しました。
― リモートサポートソフト導入の要件について、教えて下さい。
エムオーテックスのサポートにおいて、リモートサポートソフトは以下の要件を満たしていることが必要でした。
<要件1 リモート接続が簡単にできること> リモート接続の手順が簡単でないと、お客様に負担をかけてしまいます。接続が複雑であれば、接続のためのサポートが必要になってしまい、本末転倒です。誰でも簡単に接続できることが必要でした。
<要件2 セキュリティの心配なく、安心して使ってもらえること> お客様の環境を共有するものである以上、万が一にも外部に漏れるようなことはあってはなりません。お客様に安心してサポートを受けて頂くために安全性は必須でした。
<要件3 大容量データの送受信を簡単にできること> リモートサポートでは、リアルタイムに対応するために、ログデータ、パッチ、検証ツール等の様々なデータを送受信する必要性が高いと言えます。それらのデータはファイルサイズが大きいので、メールで送受信することは困難です。リモートサポートをスムーズに行うためには、簡単に大容量のデータを送受信できる必要がありました。
ISL Onlineは、「操作手順が少なく、簡単に接続できる」「通信が暗号化されており、安全」「サポートをしている最中に別のアプリケーションを使うことなく素早く送受信が可能」と上記の要件を満たしていました。ISL Onlineであれば、お客様に安全で正確なサポートを迅速に行えると考えて、利用を開始しました。
― リモートサポートを導入して、先ほどの「電話・メールサポートの4つの課題」はどのように解決されましたか。まず、「問題の特定をするための情報が手に入れづらい」という点についてはいかがですか。
ファーストアクションで正確な情報を手に入れることが、問題解決のスピードを向上させることに直結します。お客様の環境を見て操作をすることで、これ以上ない正確な情報を手に入れることができます。例えば、「原因はチェックボックスにチェックが入っていなかっただけ」という簡単な問題は、これまでなら電話で確認してもらう箇所をいくつか説明する必要がありましたが、今はISL Onlineですぐに見つけることができます。
― 「お客様に負担がかかる」という点については、いかがですか。
リモートサポートを実施したことで、これまでお客様にお願いしていたログを探してご送付頂くなどの作業を省略できるようになり、簡単にサポートを受けられるようになったと喜んでもらえています。
リモートサポートの開始自体もわずらわしいやりとりが必要ありません。まず、お客様にホームページ上からワンクリックで、プログラムを起動して頂きます。次に、起動したプログラム上で、サポート担当者がご案内する7~8桁の接続コードを入力して頂きます。それだけで、サポート担当者がお客様環境の管理画面を操作することができます。
また、簡単にリモートサポートが受けられることに感心され、「このリモートサポートツールの詳細も教えて欲しいというお声も多く頂きます。
― 「問題解決に時間がかかる」という点については、いかがですか。
問題解決までのスピードは格段にアップしました。
今は画面上で、マウスを実際にボタン上に移動させて「このボタンをクリックして下さい」とリアルタイムに操作方法を伝えられるので、お客様は簡単にログデータを見つけることができます。その場でログデータをチェックして、お客様に質問、確認できるので、早ければ30分で、遅くとも翌日には問題を解決できます。
― 「運用提案が難しい」という点については、いかがですか。
ISL Onlineを使うことで、お客様が希望される運用についての一連の流れを説明できるため、運用面の提案もスムーズに行えるようになりました。チェック事項やその設定画面、警告が出た場合の対応法などの説明の他にも、ログデータの警告内容をチェックして重大な警告に絞った対策や運用上の注意点などを分かりやすく伝えられるようになりました。
― 現在は、どのようなサポート体制になっていますか。
エムオーテックスのサポートにはPull型とPush型の2種類あります。Pull型サポートとは、お客様からの操作や設定方法などの問い合わせがあったときに、問題を解決するもの。Push型のサポートは、エムオーテックスから定期的にお客様に電話をかけ、LanScope Cat6を実際に運用するために必要な設定方法や注意点、運用の仕方などを伝えるものです。どちらの場合も、ISL Onlineを使って、リモートサポートを行っています。
リモートサポートの手順は以下の通りです。
1,ISL Onlineでお客様のパソコンとサポート担当者のパソコンを遠隔接続します
2,お客様のパソコンの画面とサポート担当者のパソコンの画面を共有します。(※)
3,サポート担当者が、マウスを実際に動かしながら、お客様の問題を解決する方法を伝えていきます。
ISL Onlineを使うことで、社内にいるサポート担当者がお客様の画面を見て、実際の環境や画面レスポンスの遅さやアラームの数等を直接、感じることができます。その結果、お客様の立場から製品を評価することが可能となり、製品改善にもつながっています。
※共有する画面は選択できます。デスクトップ画面すべてを共有することも、お客様が選択したアプリケーションのみを共有することもできます。
― リモートサポートを行うようになってから、お客様の反応はどうですか。
お客様からは「これはいいね! 早いし、分かりやすい」と好評です。トラブルのサポートの場合は、対応スピードが遅いと、問題が大きくなりかねません。早く、確実にサポートをクローズさせるためには、ISL Onlineは欠かせません。
また、リモートサポートを行うようになってから、お客様の満足度も上がっています。2009年6月の「主要ベンダーへの満足度調査」(※)でのソフト製品「サポート・サービス」満足率で、エムオーテックスはトップとなりました。一般的な年間サポートの更新率は50%前後ですが、LanScope Cat6は86.8%の更新率となっています。
※日経マーケット・アクセスが実施
― 今後の抱負とオーシャンブリッジへの期待について教えてください。
1日30~50件のサポートを行っていますが、その半分はリモートサポートを行った方が簡単に解決できるものです。それらをすべてISL Onlineで解決できるようにしたいと考えています。リモートサポートが安全に受けられることをもっと市場に広め、お客様に認知して頂いて、もっと気軽に使って頂けるようにしたいと思っています。
サポートをやっていく上では、ISL Onlineの発展は不可欠です。オーシャンブリッジには、これまで通りユーザの希望を吸いあげ、対応してもらえることを期待しています。よろしくお願いいたします。
お忙しい中、ありがとうございました。