ワンタイム+常駐接続で使える
リモートコントロール
ISL Onlineは三菱ケミカルホールディングスグループにおけるリモートPCサポートの標準ツールとして使われています。活用方法やISL Onlineの採用理由などについて、三菱ケミカルシステム株式会社 ICTインフラ事業部の皆さまに詳しく伺いました。
三菱ケミカルシステム株式会社について
日本最大の総合化学メーカー三菱ケミカルホールディングスグループのIT機能会社。世界中に展開している三菱ケミカルホールディングスグループのシステム基盤を半世紀にわたり支えている。
― はじめに、現在ISL Onlineをどのように使われているのか教えてください。
三菱ケミカルホールディングスグループにおける、リモートPCサポートの標準ツールとして使っています。対象は日本国内およびアジア地域のグループ企業約100社、32,500人の従業員です。
ISL Onlineは同時接続数無制限のコーポレートライセンスを導入していますので、利用人数の制限はありません。現在、大きく分けると以下の3種類の用途で使われています。
<1. グループ内ヘルプデスクサービス>
三菱ケミカルシステムは、三菱ケミカルホールディングスグループの従業員向けにヘルプデスクサービスを提供しています。自分のPCの動作不良、日常的に使っているメールソフトやOfficeなどの設定や操作方法、ソフトウェアバージョンアップ対応などが主な内容です。
まず電話等で問い合わせ内容を確認した上で、ヘルプデスクのオペレーターがリモート接続を行うかどうかを判断します。口頭だけでは現状把握が難しい、直接画面を見た方が早いと判断したら「接続して画面を見ていいですか」と確認を取り、ISL Onlineで接続します。
接続する時に従業員側が行うことは、こちらからメールで送ったワンタイム接続のためのURLをクリックするだけです。何も難しくありません。
<2. グループ会社の業務アプリケーションサポート>
三菱ケミカルシステムは、グループ内で唯一のシステムインテグレータとしてグループ各社の基幹システムや、製造工程や生産管理業務を支えるさまざまなシステムの構築・導入・運用を支援しています。これらのような、上述のヘルプデスクサービスには含まれない高度な業務アプリケーションの運用サポートをする際にも、ISL Onlineを使っています。
この場合、リモートサポートを受ける側は、各グループ会社で業務アプリケーションを操作している経理や生産管理などの担当者、情報システム担当者などです。リモートサポートをする側は、三菱ケミカルシステムに所属する、各アプリケーション専門のエンジニアです。
<3. グループ会社の情報システム担当者向けツール提供>
グループ会社の中には、情報システム担当者がいる会社もあります。その会社の従業員にとってはIT関連で困った事があれば最初に相談をする身近な存在です。この担当者が自社内の従業員のサポートやトラブルシューティングをする際に、ISL Onlineを使える環境を用意しています。
自分の所在地とは異なる支店や事業所からの問い合わせ対応など、必要な時に自由に使ってくださいとアナウンスしています。
以上がISL Onlineの主な利用形態です。
従来までは会社や用途によって別々のツールを使っていましたが、現在はISL Onlineを標準ツールとして一本化しています。
― 標準ツールとしてISL Onlineを選ばれた理由を教えてください。
グループ内でのツールの統一を進めていく上で、以前まで主に使っていたツールには以下の2つの問題点がありました。
<問題1:VPN接続ができない>
今後、グループ内の異なる会社間や国境をまたぐ形でのリモートサポートが増えていくことを考えると、VPN接続ができるということは統一ツールに必須の条件でした。
<問題2:接続履歴が残らない>
いつ、誰が、どのPCにリモート接続したかという記録を残しておかないと、万が一トラブルが発生した時に対応できなくなります。ヘルプデスクをサービスとして提供している以上、品質やリスクをマネジメントする上できちんと履歴が残るツールが必要でした。
これらの問題を解決できるツールを探していたところ、ISL Onlineを見つけ、体験版で動作検証を行いました。VPN接続は問題なく、接続履歴についても接続者IDや接続時間、転送ファイル名に加えて操作画面のレコーディングまでできるので十分だと思いました。
加えて、約100社・32,500人のグローバル組織の中で使っていくツールとして、以下の点を評価しました。
<コストパフォーマンスの高さ>
ISL Onlineはクライアント数ではなく同時接続数でライセンス費用が決定されます。私たちの場合対象者が数万人となり、クライアント数に応じた費用計算だとかなりの金額になりますから、接続数に応じた費用体系はコストパフォーマンスが高かったです。
まず同時接続数10のライセンスから始め、その後無制限のコーポレートライセンスに切り替えましたが、以前別のツールを使っていた時よりも全体の費用は安くなりました。
<エージェントレス>
導入時だけでなく、機能がバージョンアップした時にも、接続される側のPCにソフトをインストールする必要が一切ない。数万人への展開を考えた時に大きな魅力でした。
<多言語対応>
ISL Onlineは、利用者のPCのOSやブラウザの言語設定に対応して、接続画面のガイド文が自動的に切り替わります。国内だけではなく海外のグループ会社も含めて利用するので、標準版でも多言語対応しているのは良い点だと思いました。現在よく使われているのは、日本語、英語、中国語(繁体と簡体)です。
<細かな権限管理>
ISL Onlineは、利用者IDごとに「接続先のデスクトップの操作を許可する」「操作は禁止、画面共有だけを許可する」といった権限管理をすることができます。
同じグループ会社とはいえ、ヘルプデスクサービスにおける接続先はサービスを提供している「顧客」のPCです。うっかり操作ミスをして顧客の大切なファイルを消してしまうというようなトラブルが起こることは許されません。
そのため当社のヘルプデスクでは、まず一次対応を「画面共有だけできるオペレーター」が行います。相手の画面を見ながら口頭で「次は右側のボタンを押してください」とガイドをし、操作そのものは問い合わせをされた本人にやっていただきます。それでも解決が難しい問題の場合、「操作権限を持つオペレーター」と交代し、許可を得た上でリモート操作を行います。
― 今後のISL Onlineの展開について教えてください。
色々な利用の仕方を想定した検証作業を経て導入されたISL Onlineですが、非常に多機能です。導入していくと、運用メンバーから「こんな機能はないか」「こういう運用活用ができないか」など、意見が上がりました。こうした意見が上がっても、ISL Onlineはすでに機能が標準で実装されていたため、すぐにアクションが起こせたのも魅力でした。
例えば「セッション再接続」。OSアップデート等をリモートで操作する際に、クライアント側のPCをログオフしたり再起動したりしても接続状態を維持できる機能です。当社のヘルプデスクサービスではそのような状況がよく発生します。
「マルチディスプレイ対応」はこれから利用頻度が増えることが予想されます。各社の情報システム担当者を中心に、複数のディスプレイを使って仕事をする従業員は増加傾向にあります。あと「Web会議機能」もこれから活用機会があるかもしれません。
今後もさらなる活用を促進し、グループ内のITサポート環境のレベルを高め続けていきたいと思っています。